住宅建設・保証の国際会議が12年ぶりに日本で開幕

宅建設・保証の国際会議が12年ぶりに日本で開幕
国際会議
世界17ヵ国から270人以上が集まった

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 日本では12年ぶりの開催となる第14回「国際住宅建設・性能保証会議」(IHWWC2017)が5日、ホテル椿山荘東京(東京都文京区)で開幕した。

 同会議は、世界各国の住宅建設事業者やディベロッパー、住宅性能保証運営機関、保険会社等が参加し、各国の交流や情報共有、問題解決などを図るために3年に1度行なっている。開催母体である国際住宅建設・性能保証連合(IHHWA)のメンバーは11ヵ国14機関。

 5日にレセプションパーティを行ない、6日にはオープンニングセレモニーを挙行した。IHWWC2017実行委員長の矢野 龍氏(住友林業(株)代表取締役会長)は冒頭挨拶し、「この会議は、17ヵ国から270人が登録するなど、多くの人が参加する。各国の住宅供給と保証・保険システムの現状と課題、今後の展望について情報交換し、持続可能な社会の実現に向けた住まいづくりと我われの果たす役割について考える場にしたい」などと語った。

 続いて壇上に上がった国土交通大臣石井啓一氏は、「日本では、1980年に任意制度として住宅性能・保証制度が誕生した。その流れに沿って2000年には引き渡し後10年間の瑕疵担保責任が実現し、07年には住宅事業者の保証金供託・瑕疵保険への加入を義務づけた。これらの政策の実現には、各国の制度を参考にさせてもらった経緯がある」などと述べた。

 IWHHA議長のルイス・シドニック氏は、「この会議は、参加者それぞれが全世界とのネットワークを構築し、情報共有し、課題やビジネスの改善を支援することが目的。顧客満足度は世界共通の永遠の課題で、常に業界が進化している分野だ。住宅供給・保証・消費者保護について学び・情報共有してもらいたい」などと挨拶した。

 その後、建築家の藤森照信氏が「日本の茶室~運べる建築~」をテーマに基調講演。日本における茶室建築の歴史について、千利休の時代から続く建築の世界観や自身の設計事例等を示しながら参加者に語り掛けた。「茶室建築は、ありあわせの材料でつくった仮設的な建築という側面を持ちながら、完璧な美を表現している。狭い空間ながら、変化に富む区間を構成している」(同氏)。

 会議の開催は8日まで。歴史的建造物やプレハブ住宅会社の工場見学、各種分科会などを開催する。