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プレハブ横転
風で道路に横転したプレハブを移動する署員たち

 関東地方を23日早朝に直撃した超大型の台風21号の影響で、飯能市は連続334ミリの雨量を記録したものの、大きな被害の発生はなかった。市は風水害に備え、22日に災害対策本部(本部長・上良二副市長)を立ち上げ、同日夜に土砂災害の危険性が高まっているとして、初めてとなる市民への「避難勧告」を防災行政無線を使って発令した。

 23日午前9時に庁舎別館で開かれた災害対策本部会議では、現在の気象状況、市民の避難状況、市域での被害の有無などが各担当部署から報告された。

 それによると、市内での最多連続降雨量は午前8時現在で、沢口地区(名栗)の334ミリ、同時半時点での避難者数については2人と報告された。

 避難者については22日午後5時発令の「避難準備、高齢者等避難開始」と、同日午後10時発令の「避難勧告」を受け、10か所の地区行政センターと東吾野・南高麗・西川・原市場・吾野小の山間5小学校体育館、市民会館に避難した人たち。

 各地区行政センターには多い時間帯で58人(23日午前1時半~同3時半)、小学校・市民会館には94人(23日午前4時半)が身を寄せた。

 23日午前7時過ぎの県発令の土砂災害警戒情報解除、職員による市内巡回パトロールの結果、大きな被害がないことが確認されたことから、対策本部は同9時15分に避難勧告を解除した。

 日高市は22日午前11時に待機態勢、午後1時からは警戒態勢を取り、午後6時半には土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域のある横手、台、高麗本郷、清流、高岡、新堀、梅原、栗坪、楡木、猿田地区を対象に、「避難準備、高齢者等避難開始」を発令した。

 武蔵台公民館、高麗公民館、総合福祉センター「高麗の郷」の3か所を避難場所とし、23日午前4時半頃までに4世帯11人が避難した。同7時10分には避難準備を解除し、8時過ぎまでに全員が帰宅した。

 飯能・日高ともに人的被害は無かったが、飯能では下加治で倉庫用のプレハブが道路に横転、富士見小学校校庭の樹木が倒れ市役所駐車場の車両が下敷きになった、日高では高麗本郷(駒高)の市道で土砂が崩れ道路を防いだなどの被害があったほか、両市で倒木や道路冠水などが報告された。

 鉄道では、西武線は飯能から西武秩父駅間の運転を23日の始発から見合わせたが、午前7時49分に運転再開。池袋線ではダイヤの乱れが発生し、特急レッドアロー号は運転を見合わせた。JR八高線は、午前5時11分、拝島~高麗川駅間の上下線の一部に遅れと運休が発生し、その後、同6時49分に八王子~高麗川駅間で運転見合わせとしたが、同8時15分に拝島~高麗川駅間の運転を再開した。